みなさん こんにちは”廃道大好き”ハッキれん です。




分水界って知ってますか?




当たり前ですが普通水は高いところから低いところへと流れます。
山に降った雨は当然低いほうに流れていくわけですが、その流れが集まって川になるわけです。
ですが同じ山に降った雨でも、降った斜面の違いにより流れ込む川が変わってきます。
さらに川が違えば注ぎ込む海もかわります。
分水界とはその流れ込む方向を分ける境界線のことです。
通常それは山の尾根だったりするわけで、それを自分の目で見るためには山登りを強いられるのが常だったりします。
日本には中央分水界(分水嶺)といって日本海側と太平洋側(瀬戸内海含む)にわける分水界があります。
当然多くの場合は山の高いところにあったりするんですが、実は意外と低い場所に分水界が存在したりすることもあるんです。
中央分水界で一番低い場所は、標高95.45メートルしかありません。
これなら無理して山登りしなくてもたどり着けますね。



 
↓場所の確認
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春日インターチェンジから国道175号線を西に向かうとJRの石生(いそう)駅があります。
その近くに分水界は存在します。
インターから近いんで楽に到着できます。
ここには『水分かれ公園』という公園が自治体により整備されていて、中央分水嶺の中で一番低いことをアピールしていたりします。
ここで太平洋(瀬戸内海)側に流れ込む加古川と、日本海側に流れ込む由良川(竹田川)とに分かれるわけです。



↓現在地
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『水分かれ公園』の手前に専用駐車場がありました。
今回はここからスタートします。
ここからまず『水分かれ公園』を目指し、分水界を確認してきます。



駐車場は予想以上に広く、中央分水界を手軽に見ようという人たちの要望に応えるべく自治体の努力が見て取れます。
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公園の片隅には分水界を分かりやすく説明する看板も設置されています。
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さっそく駐車場を出発します。
地図によると公園はここから東に向かうとあります。
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公園周辺の道幅が狭いことへの注意看板が設置されています。
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なるほどここに車は停めておいたほうがよさそうですね。

正面の道が公園に続く道です。対向車が来ても離合できそうに無いですね。
道の右側の川がやがて加古川に流れ込む高谷川です。
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よく見ると高谷川の南側(道と反対側)に遊歩道がありました。
この遊歩道を使って公園に向かいましょう。
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この高谷川は護岸が整備されているだけに自然の川の雰囲気はないですが、桜が植えられていたりちょっとした木橋が架かっていたりと素朴な感じがしていいですね。
まさかここが分水界だなんで言う風には思えません。
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やがて遊歩道も終わりになり、擬似木橋で高谷川を渡ります。
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『水分かれ公園』に到着です。
予想外に広い・・・、いや日本の中心となる偉大なる中央分水界なんだからこれぐらい広くて当然か?
むしろ狭いのか?
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↓現在地
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この『水分かれ公園』には野外ステージや、┣¨ でかい人工滝があったりして日本最大の中央分水界が手の届く場所に下りてきてくれたことをみんなで祝福(?)できるようになっています。
・・・水、多くないか?その滝?尋常じゃないくらいの水が流れ落ちてるぞ。
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で問題の分水界ですが、この高谷川に存在します。
この写真にも写っているんですが分かりにくいですね。
そこまで行ってみましょう。
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公園入口付近にある↓ここです。
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まっすぐ流れる(緑色)が瀬戸内海(太平洋)側の加古川行き。
ここで分岐する(黄色)のが日本海側の竹田川(由良川)行き。
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なんか無理矢理な気がしますが・・・。
これは昔からこのあたりで分岐していたのを綺麗に整備した結果なんでしょうが、ここだけを見ると無理矢理分水界を造っているようにも見えたりします。そうじゃないですよね・・・多分。

これが高谷川(瀬戸内海)。
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これが日本海行き・・・。
なぜか水門が設置されています。
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それにしても『水分かれ公園』の人工滝がとんでもないくらいの水量なのに、この高谷川の水量ってなんでこんなに少ないの?
これだけ見ても胡散臭いと思ってしまうのはダメなんでしょうか?


ちょっと?な気分ですが、この日本海側の分岐支流がホントに日本海まで流れ込むのか確認することにします。さっそく流れを辿ってみましょう。でもこれってやっちゃいけないことなのかも・・・。秘密を暴いてしまうのか?
分岐した日本海側は地下トンネル(というか土管)を通って下の写真の場所に出ます(たぶんこれがそうだと思う)。
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これがトンネル(土管)を出たとこ。ってこれただの溝じゃん、ミゾだよ みぞ・・・川じゃねぇよぅ。
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太平洋側は高谷川でまっすぐ加古川を目指すのに対し、
この日本海側は土管を使って道を左右に行ったり来たりを繰り返します。
ホントに日本海まで着くのか?このミゾ・・・。
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日本海っていうと先入観で暗いイメージがあるんですが、やっぱり扱いもこんな風になるんでしょうか?
やがて流れは大きな溜池に流れ込みます。
まぁどう見ても農業用水路なわけで・・・、
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これ溜池です。日本海じゃありません。
地元の手製看板があります。
『2TON』って『2t』のほうが分かり易いと思うんですがダメなんでしょうか?
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溜池に集められた日本海行きの水達は、再び排水溝から海を目指して出発します。
写真のガードレールの場所に排水口があります。
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こんな感じです。目指せ日本海。
溜池の向こうに見える並木が高谷川(瀬戸内海行き)の桜並木です。まだこの時点では2つの流れはいつ合流してもおかしくないくらいに背中合わせで進んでいます。『水分かれ公園』の分水界が正しいことを証明するためには合流するわけには行かないんですが、この時点ではひょっとして・・・・と思っていました。
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排水溝から出た水はまた溝の中を流れていきます。
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やがて集落に向かって流れていきます。
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あ、大きな通りに出ました。
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↓現在地
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国道175号線です。
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水はこの道路の側溝を流れていきます。
地図で見ると流れは道を横断していくことになっていますが、
現地ではそれを確認するには至りませんでした。

おそらく昔から農業用水の経路として使われていた水路が、
高谷川とは別の流れを作り、それが竹田川に流れ込むようになったのが始まりではないかと思われます。
実際に現地に行くと、どっちに水が流れるとかそんなに気にならないんですが・・・。



↓現在地
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ちょっと戻って『水分かれ』交差点です。
ここで国道175号線と国道176号線が分かれます。
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ここの高谷川に架かる『水分かれ橋』の袂にある看板。
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あとこんなモニュメントもありました。
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単純ですが、分水界を表現する分かり易い造型ですね。
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このあと川はたしかに南北に分かれて流れていくわけで、一番低い中央分水界はここに存在しました。
ホントかどうか気になる人は現地で確かめてみてください。



おしまい。
 

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