御母衣ダム
 
御母衣ダム堤体に到着しました。
 
 
1961年に完成した御母衣ダムは、
完成当時『東洋一のロックフィルダム』と呼ばれ、
その後の日本国内における巨大ダム建設のための
技術的な基礎を築いた歴史的なダムです。
 といっても特にそれをアピールするような設備はここには見当たりません。
そういうのは来る途中にあった『御母衣電力館』で紹介されているそうです。
行ってませんが・・・。
 
 
 
 
トンネルから繋がるロックシェッドから出ると
目の前には巨大な自由越流式 非常洪水吐が見える。
洪水吐の奥に見える白い物体は残雪
まだこのあたりが気温が低いことを匂わせている。
それにしても、写真では伝わりにくい気がしますが、
これ相当な高さがあるんですよ。
落ちたらタダじゃすまない感満載です。
ここを水が流れる姿はかなり豪快だろうと想像できますね。
 干上がった川が目の前にあるような感覚か?
 
 
 こっちが非常洪水吐のダム下流側です。
ちょっとした滑り台のようにも見えますが、
そんな軽いものではありません。
まずダム自体の堤高が131メートルですから、
堤体から洪水吐までの高さを引いて考えたら
約100メートルを一気に滑り落ちることになります。
減勢工まで滑り落ちたらさぞ気持ちいいだろ・・・?いや怖いって!
ちなみに写真の対岸に見える道がさっきまで通ってきた国道156号線です。
ちょうどダムに背を向けるあたりに『御母衣電力館』が見えます。
見えますよね。
 
 
御母衣ダムの堤体は左岸側の一部が一般に開放されています。
国道側には駐車スペース的な広場があり、
そこに車を停めれば歩いてなら堤上を観賞可能です。
 
対岸までは行けませんが、真ん中あたり(と思う)までは行けます。 
 
 
堤体から下流方向を見る。
リップラップがいかにも積み上げました的な感じで、
徳山ダムのような最新のロックフィルダム とは違い無骨な印象を与える。
たぶんこのダムが完成した頃はダムが観光地になると言う発想はあんまり無かったんだと思う。
PR用の電力館もほらあんなに遠くにあるんだし・・・。
写真中央右に見えるのは御母衣発電所 
 
 
さぁ御母衣ダムを堪能したので再出発します。
またロックシェッドに入って国道156号線を走ってもいいのですが、
トンネルでまた怖い思いをしたくないのでここからは御母衣湖岸を走ることにします。 
来たときはここから出てきました。
 
 
御母衣ダムの堤体から国道と平行して道が続いています。
やがてロックシェッドから繋がる トンネルと合流し、
しばらく御母衣湖岸を一緒に走ることになります。
 まぁ一緒に走るって言っても、
御母衣湖側はゲートで車は走り抜けられないようになっているんですが・・・。
 
 
やがて国道はロックシェッドとトンネルで
御母衣湖に突き出ている半島を越えていきます。
そのシェッドの入口前まで来ました。
すると、
お!?ひょっとして旧道では? 
『トンネルあるところに旧道あり』
旧道探索の常套句にして もっとも基本的な法則 
 
 
シェッドに入らず旧道を進むと道はすぐに広場で行き止まりになってました。
で、その広場にありました。
旧トンネル 
何か激しく破壊されているような・・・。 
 
 
これが旧トンネルの入口です。
坑門はコンクリート製で一部が破損しています。
入口にはシャッターが取り付けられ(そのため一部がコンクリで塞がれている)、
内部へ侵入できないようになっていた様子。
完全にコンクリで塞がなかったのは、
洞内を他の用途(物置等)で使っていたのだろうか?
写真の坑門前の白いのは雪です。
 
 
抜けられればラッキーと内部に進入を試みました
が・・・、
反対側も塞がっている!
そして内部は地下水が溜まってご覧のような様子。
なので入ってません。
抜けられないのでは入る意味ないし・・・。 
そんなに崩壊は進んでません。 
 
 
しかたなく国道に戻ってトンネルに突入することにします。
後続車が来ないことを確認して一気に駆け抜ける!
その気分は東西冷戦時に国境を突破して亡命を試みた東側の人達のもの。
背後から迫り来る車の音が聞こえたときの気分は、
国境警備隊に見つかったようなものだ。
『走れ!走れ! 自由を!!』
亡命したことありませんが・・・。 
 すいません。言い過ぎました。
 
 
 トンネルを抜ける今度は長大なロックシェッドに繋がる。
シェッドの柱の間からはこれから向かう対岸の道の様子が見える。
岩山にしがみつくようにロックシェッドが続いているのがわかります。
ちょっとテンション上がってきました。
これはカッコイイ道(個人的感想)。
 ダム湖の湖面が深いグリーンで美しい(という感想も個人的見解)。
 
 
 
さっき通り抜けようとした旧道のトンネルは
当然こちら側の山に繋がっているはずなんですが、
この位置からは坑門は見えません。
たぶんあの向こう・・・。
 それにしても崖がすごいことになってます。
 
 
 そして進行方向はまるでリアス式海岸のようにも見えます。
たぶんどこかの海岸といってもわからないんじゃないかと思う・・・。
まさか山奥とは思うまい。
海には波がありますよ 。
 
 
 長大シェッドを抜けて谷筋で折り返し。
湖面には流木が大量に滞留していた。
右側に見えるロックシェッドの上には
まだ大量の雪が残っているのがわかる。
そして写真の奥に見える山の稜線が折り重なっている部分から上流に行くと、
森茂川と六厩川に分かれる。
そこに伝説の廃橋『六厩橋』が架かっているが、
そんなとこまではとてもじゃないが行けない。 
 
 
国道156号線はこの先再びトンネルに入っていくんですが、
目の前には二本の道が見えます。
あれ?左は旧道かな?
でも閉鎖されている様子はありません(無かったと思う)。
右側は明らかに国道156号の新トンネルですね。
 ここで選ぶ道は当然、
旧道
ですよね。
 
 
 
【次回予告】
 旧道を選んで正解でした。
 
何が正解で何が間違っているのか、 
それはあくまで個人の見解です。
 
 
 
 
 
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