みなさん こんにちは”廃道大好き”ハッキれん です。







国道158号線の九頭竜ダム湖畔に旧道がある。
しかも一部が廃道化している。
広く知られた事実だ。

旧道界の常識として、
『トンネルの影に旧道あり
    旧道のそばに廃道あり』
といわれている。
今回もその常識通りに九頭竜ダム周辺の3連トンネルの旧道部分に廃道が存在している。
国道158号線の影路トンネルの旧道に当たるため、仮称として『影路旧道』と今回呼ぶことにします。



ネタとしては小ネタ的な短い旧道ですが、
今回ゴールデンウィークに九頭竜ダムに訪問して現地調査を実施してきました。


全体図
1.JPG


福井県大野市の九頭竜ダムです。国土交通省とJ POWERの共同管理により運営されています。
p1070680.JPG

堤高:128mのロックフィルダムで、1968年に完成しています。
p1070685.JPG

ダム堤体から九頭竜川下流を見ます。右岸の道路が国道158号線です。大野市を経て福井市まで続いています。
p1070687.JPG

↓現在地
10.JPG

九頭竜ダムの一般客(?)用の駐車場から出発します。
長野ダムトンネルと長平トンネルの間にある駐車場は気をつけていないと素通りしてしまいそうになります。この前後のトンネルの出口にも側道がありますが、それらはすべて一方通行で交通法規に従ってダムに到達できるのはここだけになります。駐車枠の白線はところどころ消えかけで、しかも配置が分かりにくくまたダム本体から遠いこともありほとんどの人が枠を無視してダムよりの場所に路駐をしていました。まぁといっても10台にも満たない台数なんですが。
写真左にある建物がトイレです。その後ろに続く道が、一方通行で長平トンネルを迂回して影路トンネルとの間の国道に合流する白鳥行きの道です。今回はこちらに向かいます。
p1070694.JPG

駐車場から長平トンネルを見る。
現役道ですが、相応の古さを感じます。
p1070692.JPG

これが長平トンネルを迂回する道。一方通行の現役道路です。駐車場から出る際の事故防止の目的での一方通行処置なんでしょうが、これはどうみても旧道です。
p1070697.JPG

途中で振り返って九頭竜ダムを撮影。
九頭竜ダムは当初地名から長野ダムという名前になる予定でしたが、長野県のダムと勘違いされるという理由で河川名から『九頭竜ダム』と改称されたそうです。長野の地名は長野トンネルや下流の長野ダムに残っています。
p1070701.JPG

山裾を回り込むようにして国道158号線に合流します。
ここにもちょっとした駐車帯がありますが、ここから九頭竜ダムには車では進入禁止(一方通行)です。
旧道で道幅が狭いとはいえ一方通行のため対向車の心配もそれほどしなくてもよく(まれに平気で逆走する人がいます)、ガードレールで守られているのでダム湖への転落事故も幾分発生しにくいです。
p1070703.JPG

↓現在地
11.JPG

側道から影路トンネルを見る。
ここもかつては駐車場だったのかも知れません。現在も車を駐車することは可能ですが、写っている側道との分離帯の周辺には金網が敷設されていた名残と思われるアンカー打ちのスタッドボルトが多数残っているため、あまり近付きずぎるとパンクの危険があります。ご注意ください。
p1070706.JPG

国道158号線と影路トンネル
この写真の右に通じる道が旧道です。こちらに向かいます。
p1070708.JPG

さっきの駐車場からの道も旧道ですが、あちらはまだ現役の道路。ここからはもう廃道一歩手前の道路です。なので側道の白線もありません。では、突入。
p1070712.JPG

こちらの旧道はさっきまでとは違いガードレールの設置率も格段に下がります。
写真のようにコンクリート製の車止めが道路開通の時代を感じさせます。向こうに見えるのが九頭竜ダム管理支所。右手の並木の道がさっきの旧道で、その下に見えるダム湖に沈む道は旧水没集落への道、当然廃道。
p1070713.JPG


ダム堤体左端にあるのが九頭竜ダム直下の長野発電所への取水口
p1070717.JPG


こちらの旧道は道幅こそさっきまでより心持ち広い(うっすらと中央線が残っているので2車線あったはず)ですが、もう完全に別の道感が強いです。
p1070725.JPG


ウネウネしたワインディングを抜けるとやがて大きく左に回りこむコーナーがでます。
ダム湖の岬ですね。
p1070729.JPG



↓現在地
12.JPG

この部分の路肩が再舗装されています。これは舗装しなおしたというより、路肩が崩落したのを補修したものでしょう。突っ立っているのはガードレールの支柱です。? なぜ支柱は立てたのにガードレールは敷設しないのでしょうか?
p1070730.JPG


ここで振り返ってダム方面を見ます。
湖面に向かいの山が映ってますね。
p1070735.JPG

対面の山に道(林道?)が見えます。地図で見ると長野の地名が当てられているので、この部分は水没を免れた集落跡かも知れません。
p1070734.JPG

ここのコーナー部の路外にはコンクリート製の堤防?のような構造物があります。
ダム湖への転落防止の目的でしょうか?
p1070736.JPG

岬を回りこむと道は下りになります。この先の右コーナーに工事の看板が設置されていました。といっても交互通行の信号は稼動していません。
p1070741.JPG

工事現場らしきものも無いなぁと思いながら進むと、前方に工事関係者っぽい人達の車輌が見えてきました。
工事自体はこの道路のさらに上方で行われていて、落石防止工事の類と思われます。この日もブル道を登っていく工事関係者が数人いました。GWなのに・・・。
p1070745.JPG

工事車輌の横を過ぎると目の前に通行止め看板?が見えてきました。
ここで道は二手に分かれて右がダム関連施設?に向かい、左の直進が旧道です。
路上に置かれた『通』『行』  『止』の看板にホンキ度が感じられません。だって余裕で通れるじゃん。っていうより明らかに通ってるでしょコレ!車1台分は通れるだけの看板配置にそれほどの危険度を感じない旧道区間。ここからは廃道区間になります。まぁ、ここを通りたかった人が看板はズラしたんでしょうが・・・。
p1070747.JPG


【このブログの注意事項】
ここから紹介する道は通行するのに適していない非常に危険な道です。
このブログを見て安易にまねをした場合、あなたの生命に危険が及ぶ可能性がある内容が含まれています。
当ブログを参考にあなたがこの場所に赴き、そこで事件・事故等に遭遇した場合でも、すべては自己責任で解決してください。このブログの管理者はその責任を負いません。

廃道区間に突入しました。
道は一気に荒んできました。路肩の草の繁殖も激しく感じます。
p1070750.JPG


↓現在地
13.JPG

ダム湖の半島部を回り込んで南面に出ました。
もう完全に廃道です。
p1070755.JPG

対岸の山々が美しく見えます。
この区間は現在は国道158号線の影路トンネルでショートカットされて普通は見ることの出来ない景色です。まぁそれまでダム湖畔の道を走ってきたので今さらダム直前にトンネルで景色がカットされてもそれほど不満ではないかもしれません。それより快適な道路が必要なのは当然ですね。
p1070760.JPG

それにしてもこの旧道は現役時代もこのコンクリート車止めだけだったんでしょうか?
今の基準からすると相当不安になりますが、当時はこれが普通だったんですかね?
p1070757.JPG

廃道のため路肩の刈払いも行われないため車止めも見えません。落ちるって・・・。
p1070759.JPG

やがて前方に盛大な法面崩落現場が・・・。
とはいえある程度残土処理はされていて通行には支障はありません。
p1070765.JPG

そしてその先に・・・。
p1070768.JPG

【次回予告】
ダム湖畔の廃道に現存する廃橋+廃隧道+廃橋の3連コンビネーション
それはまさに廃道界のジェットストリームアタックか?
ゴールデンウィークの緩い太陽の下ついにたどり着いたその先には
以外にも・・・。
次回を心して待て

 

◆TOP  ◆過去の栄光へ  ◆その2へ

 

inserted by FC2 system